9.消費者の購買行動とそれに対する対応  (財)流通経済研究所 上田雅夫 氏

始めに

前回の報告の最後に消費者のニーズを捉えるには、精度とコストの面で購買結果を分析したほうが望ましい述べた。

このことは消費者の購買意思の決定とも関係しており、今回は消費者の意思決定と購買行動について若干の説明を加えたい。

消費者の店内における行動

消費者の購買行動のパターンは、意思決定のレベルと店内における購買行動の変更で分類すると図表1にあるように4つになる。

計画購買とは、ある特定のブランドの購買を決定していた消費者が行動を変更せず、そのまま購買したことを示し、非計画購買とは商品カテゴリーの決定なしに来店し、行動を変更して購買したことである。

(財)流通経済研究所が1992年に行った調査では、非計画購買が70.8%を占めていると報じており(アメリカの調査結果では非計画購買が52.8%であり、日本の非計画購買の高さを示している)(※1)、消費者の購買の意思決定はほとんど店内で行われ、購買行動に結びついている。

このことは、スーパーで扱っている商品に対し消費者の関与が低く、商品を認知すると評価を行わず、すぐに行動を起こすことが原因であると考えられる(※2)。

 

図表1:購買行動の4つのパターン
出所:恩蔵直人・守口 剛(1994)『セールス・プロモーション』

非計画購買と店内管理

消費者が店内で意思決定しているのであれば、消費者に対し、商品提示の工夫をすることにより、消費者の購買意欲を喚起し、購買してもらうことにより効果的・効率的経営ができるであろう。

商品提示の工夫としては、以下の3点について論理的整合性を持って取り組むべきである。

(1)フロアレイアウト
(2)プラノグラム
(3)インストア・プロモーション

つまり、消費者の店内行動(動線)を考慮し、商品グループを売り場に配置し(フロアレイアウトの決定)、商品のサブグループをゴンドラ等の陳列台に適正な数量・位置に配置し(プラノグラムの決定)、消費者に対し情報提供や購買意欲を刺激することで購買を喚起する(インストア・プロモーションの実施)必要がある。

非計画購買をしていると考えれば、店内の消費者を各売り場に立ち止まらせ、商品を認知させる必要がある。

そのためには、以下の5点に注意し、売り場を管理するべきである。

(1)通路内の商品の配置
(2)通路間の商品の関連のさせ方
(3)ゴンドラ・エンド計画
(4)クロス陳列による情報提供
(5)ディスプレイ、POP等よる情報提供

上記の5つのポイントにはカテゴリーにより特徴がありその特徴を踏まえることは言うまでもなく(例えばゴンドラに商品を陳列する際、その商品が属するカテゴリーにより商品数の幅を取ったほうがよいのか深さを取った方がよいのか異なる。

消費者が絶えず異なったアイテムを要求するカテゴリーでは、商品の種類数の幅を取った方がよい(※3)、ここにカテゴリー・マネジメントの重要性が現われる。

参考文献

※1 恩蔵直人・守口 剛(1994):『セールス・プロモーション』18-20頁
※2 消費者が商品に対する関与を高める要因には「金銭的リスク」 、「専門的リスク」 、「社会的リスク」 、「感情的アピール」 、「記章的価値」 の5つがあるが、スーパーで扱っている商品にはこれらの要因が及ぼす影響は低いと思われる。
※3 渡辺隆之(1994):「カテゴリー・マネジメントの意義と方法」 『Home Center Age』 13巻 10号23-25頁  ダイヤモンド・フリードマン社

次回は、「まとめ-消費者と売場を結ぶカテゴリーマネジメント」を掲載予定です。