MD-ing講座19

棚割提案のポイント1

今回から、棚割提案のポイントについて説明致します。 棚割提案を実行する場合の最大のポイントは、

第一は、「総ての必要情報は店頭にある」
第二は、「仮説をどう設定するか」
第三は、「相手を徹底的に知り尽くす」
第四は、「いつも自分が提案を受ける立場で考える」

これから、提案項目はどんな内容が必要なのか、プレゼンテーションのポイントは何かについて述べていきますが、基本は「店頭」にあるということを再度確認しておきます。小売のMD-ing施策、卸のMD-ing施策、競合メーカーの戦略、これら総てが店頭に現れます。
そして、「仮説」の抽出は、それぞれの商圏特性から、売場から、競合店舗から、各種データから導き出して、売れない原因は何か、売れている原因は何かを探っていきます。 また、以上の作業を通じて、提案企業のMD-ing政策を深く理解し、いつも自分が提案される立場だったら何を期待するかを考えながら提案書を作成していきます。

では、棚割提案に必要な項目について解説していきます。
一つ目は、「当社の提案企業に対する政策」です。
当たり前のことと思われますが、実は非常に重要な項目です。
企業コンセプト、事業コンセプト、商品開発コンセプト、当社の取り組み姿勢、サポート内容と実行プランなど「これなら安心して、当該カテゴリーを任せられる」と相手企業に思ってもらえるかどうかがこれによって決まるからです。具体的項目は、以下のようになります。

(1)企業目的
(2)事業領域
(3)企業指針
(4)行動指針
(5)商品政策
(6)価格政策
(7)チャネル政策
(8)販売促進政策
(9)MD-ingサポート政策

などです。

二つ目は、「市場動向」です。
当該カテゴリーの市場動向について詳しく説明する項目です。当該市場は成長しているのか、横ばいなのか、衰退しているのか。メーカー動向は、消費者の嗜好の変化は、業界動向は、などがこれに当たります。この事によって、売場の拡大、縮小。サブカテゴリーの拡大、縮小。メーカーの選択。ブランドの選択。商品の打ち出し方の方法などが変わってきます。
まとめますと、以下のようになります。

(1)全体動向(原料環境・製造方法・海外動向・競合企業動向)
(2)カテゴリー・サブカテゴリー別動向(構成比トレンド)
(3)メーカーシェア(都道府県別・エリア別)
(4)チェーン内メーカー別シェア(SKU別・フェイス数別)
(5)全体消費者動向(嗜好・消費サイクル・消費量・消費金額)
(6)業界トピックス

などです。

三つ目は、「商圏分析」です。
提案する小売企業の商勢圏の状況、および店舗を中心とした商圏の状況を。こちらとしてどう提案に活かしているかを説明する項目です。これにはニーズの把握から見た内容、競争環境から見た内容があります。
ニーズの把握から見た内容は以下のようになります。

(1)商圏内小売業業態別店舗数と構成比の把握
(2)競合企業の設定
(3)競合店舗の設定
(4)競合店舗との比較図作製

*開店
*営業時間
*売場面積
*店舗レイアウト
*駐車・駐輪台数
*チラシ比較
*当該カテゴリーの商品構成比較

以下次回に続きます。

(2000/4/12)