MD-ing講座7

回転

商品の意味を理解したら、次は”回転”についてです。
この”回転”でまず理解しなければならないことは「バスタブ理論」です。
「バスタブ理論」とは、店頭で扱われている商品には、よく売れて回転の早い商品から、あまり売れない回転の遅い商品まで色々あります。この事を無視してどの商品も同じ店頭在庫量にしてしまうと、良く売れて回転の早い商品は欠品してしまい、あまり売れない回転の遅い商品は過剰在庫になります。
どの商品も同じ割合で売れていき、発注や補充をしやすくするために、各商品の陳列量をその販売実績数量に合った量にする必要があるわけです。つまり、陳列量(店頭在庫量)を決定するフェイス数の配分を販売実績(各SKUごとの販売数量)に応じて決めるというのがフェイス配分の基本になります。この事によって回転数を平準化するわけです。(平準化する単位は、カテゴリー単位です。ゴンドラ1本という考え方もあります。) この事を「バスタブ理論」と言っています。
フェイス配分を販売実績数量に応じて決めると、どの商品も同じ割合で売れていき、

(1)品切れが防止できる。
(2)過剰在庫がなくなる。
(3)商品補充の回数を調整できる。

などのメリットがあります。
また、なぜ回転を平準化するのかというと、

(1)補充回数が増えると人件費が増える。
(2)伝票数が増え手間が増える。

というコストプラス要因を減らせるメリットがあるわけです。

“回転”は通常商品が1年間に何回入れ替わったかを示します。 また平均在庫高(期首在庫高+期末在庫高÷2)が1年間に何回回転して売上高を構成しているかを示しています。式は、

商品回転率=年間の売上高/平均在庫高

仕入れた商品がゼロになるまで何日(何月)かかったのか、1年間の中で商品が1回転するのに要する期間は、

商品回転日数=365/商品回転率
商品回転月数=12/商品回転率

で求められます。
また、適正フェイス数確定の計算式は、

適正フェイス数=(販売数/目標回転率×奥行き)×(12/販売期間)

で求められます。

(1998/4/6)