MD-ing講座30

粗利MIX(商品MIX)について

今回は粗利MIX(商品MIX)について説明いたします。
この粗利MIX(商品MIX)の考え方を最初に定義したのは、米国のマイケル・カレンでした。
(彼は、1930年、ニューヨーク州のロングアイランドのジャマイカでキング・カレン・ストアーをオープンしたことでも有名です)
彼は、それまでの商売が、どの商品も同じ粗利益率で行われていた商慣習を、商品によって粗利益率を変え、売上構成比との関係で全体の粗利益率を最大化する方法を編み出したのです。それが粗利MIX(商品MIX)です。 先ずは意味と内容ですが、

部門(会社全体・部門・品種・品目・SKU)の売上高構成比と部門(会社全体・部門・品種・品目・SKU)の粗利益率から全体の粗利益率を把握する考え方。

具体的活用は、部門全体(会社全体・部門・品種・品目・SKU)の粗利益率を上げるのが目標になる。
それを達成するには、
①粗利益率の高い部門(会社全体・部門・品種・品目・SKU)の売上構成比を上げる。
②売上構成比の高い部門(会社全体・部門・品種・品目・SKU)の粗利益率を上げる。
以上2つの方法を取るのが効果的。

粗利益率の低い部門(会社全体・部門・品種・品目・SKU)の売上構成比が高くなると全体の粗利益率は下がってしまうので注意が必要である。

各部門(会社全体・部門・品種・品目・SKU)の売上構成比や粗利益率が変わることによって、全体の粗利益率が上がったり、下がったりする特性を予算組に活用できる。

売上構成比と粗利益率を掛け算したものを相乗積と言うが、これは売上高合計に対する貢献度を意味する。

次に事例と手順について簡単に説明しておきます。

①部門ごとの売上げ・粗利額・粗利率を表にする

②相乗積表と貢献度表を作る

③各部門の粗利益率を変えないで、全体の粗利益率を向上させる場合(相乗積の総和のこと)、売上高構成比をどのように変化させるかを考える

   ex:全体の粗利益率を27%にする場合

ステップ1
B部門の売上構成比をXとする。そうすると、A部門の売上構成比は、全体を1として、(1-X)になる。   つまり次ぎのようになる。

ステップ2
A部門の相乗積とB部門の相乗積を合計した数字が、全体の相乗積となる分けだから。
22.2-22.2X+50X=27.0
50X-22.2X=27.0-22.2
27.8X=4.8
X=約17.3
約17.3%(B部門の売上構成比)
そして
82.7%(A部門の売上構成比)

簡単な事例を紹介いたしましたが、ご理解頂けたでしょうか。予算作成時大変便利な手法です。先ずこの方法で予算などの計算をし、次に予算をどの様に達成するかの実施内容を詰めていけば良いわけです。

(2002/02/14)