MD-ing講座21

各種分析手法・その1

今回から各種分析手法について説明いたします。次のような手法です。

1.時系列(ヒストリカル)分析

時間の経過の中で傾向をみる分析手法です。

(1)その現象が増えていく状況なのか、減っていく状況なのか、あるいは水平で変化がない状況なのか、といった大きな流れを作っていく力。
これを傾向変動要因と言っています。
具体的には、「12ヶ月移動平均法・・・Zチャート」という手法で表します。販売分析・販売予測などに活用できます。
式は、当月の移動年計売上高=(前月の移動年計売上高+本年当月の売上高)―前年当月の売上高

(2)傾向を長期的に観察すると、普通1年以上の波長を周期としてやや定期的に上昇したり下降したりする傾向が現れる。
これを循環要因と言っています。
具体的には、「最小自乗法」という手法で表します。年度の販売予測に活用できます。

(3)春夏秋冬で変動する要因を季節変動要因と言っています。
具体的には「季節指数法」という手法で表します。これには普通最低3年分の月別データが必要です。毎月の販売計画・仕入計画に活用できます。

(4)ライフサイクルを分析する。
商品や市場が現在、導入・成長・成熟・衰退のどのポジションにあるのかを見極め、それぞれのポジションで対応策を検討する手法です。商品によってもそのサイクル全体の期間が違いますが、消費財については、最近非常に短くなってきているのが特徴です。

2.ABC分析

(1)商品を管理する上で、どの商品に重点をおいて管理するのが効果的かを思考する場合、ABC分析は、一つの要因(ex.販売量・販売額etc)で重点管理の対象を明確にする手法です。
上位20%を押さえれば全体の80%を把握できる。という考え方です。

3.マトリックス分析

(1)商品を管理する上で、どの商品に重点をおいて管理するのが効果的かを思考する場合、マトリックス分析は、二つの要因(ex.ABC分析と企業成長率・売上数量と粗利益率etc)で重点管理の対象を明確にする手法です。BCGのポートフォリオ分析が有名です。

4.ランチェスター分析

(1)競合との相関をシェア構造で分析する手法です。

・目標数値の基準
独占シェア :73.88% トップに立つための上限目標
相対シェア :41.70% トップに立つための第一次目標
トップシェア :26.12% トップに立つための下限目標
影響シェア :11.00% 当該業界に影響を及ぼす最低限のシェア目標
存在シェア : 7.00% 当該業界で存在価値が認められるシェア
射程距離 :√3 ・・市場全体の中で1位になるための2位との差
: 3 ・・一顧客の中で1位になるための2位との差

この続きは次回です。

(2000/8/8)